先日、サロン見学の対応をしていて、
今の働いているサロンにおいて
『休みは、これ以上はいらない』
『もっと美容師としてのやりがいが欲しい』
という気持ちをぶつけてきてくれた子がいて、
ああ、すごいな。美容業界全体を通して、休みが整ってきているんだなぁ。
と感じた一方、
カリキュラムが早期化し、教育がマニュアル化されることにより、
本来の美容師としての『まだ見ぬ個人の強み』が発掘しにくくなってきている状況にあるんだなぁ。とも思いました。
美容師のかつては、『休みが欲しい』今は、『やりがいを求めている』
かつて、美容師は、月6日休みの美容室も多く、
今では、週休2日制がほとんどとなりました。
社会保険もしっかり入れるようなサロンも増え、
雇用が安定してきている雰囲気は感じます。
ですが、『やりがい』に関しては、
例えば、時間外の練習量を過度に減らす風土が社内にあるとすれば、
美容師としての技術の向上の楽しさを失うきっかけにもなります。
どんどん働きやすくなるかわりに、
美容師としての『やりがい』=泥くさい多くの練習量を経て、得られる、個々の能力は、
日々、弱まっているように感じます。
もちろん、努力を惜しまず、自らの道をしっかりと進める子は、
『やりがい』もしっかり得ることができますが、
全員がそうではないと思います。
『スタッフ一人ひとりのことを見てくれていない。』
よく、こんな悩みをもったアシスタントやスタイリストの声を
サロン見学の際に聞くことが多々ありますが、
改めて、僕も、スタッフを多く採用し、一緒に働いていると、
『本当に、一人ひとりのことを見れているのかな?』
という点においては、自信があるわけではありませんし、
むしろ、見えていないことも多いと思います。
ですが、一人ひとりの要望が
①自分にベクトルが向いているのか
②誰かの為にベクトルを向けられているのか
のどちらかであるかは、
しっかりと意識しながら、一人ひとりと向き合うように決めています。
やりたいことが、常に自分にベクトルが向いている人は、周りから応援されない。
会社もそうですが、
組織の中で、
『会社は自分の意見を聞いてくれない』
『一人ひとりを見てくれていない』
と感じるスタッフが出てきた場合、
そのスタッフのやりたいことが、自分に対してベクトルが向いているのであれば、
それは、自分で独立するなりして、実際にやってみると良いと思います。
ですが、誰かのために、環境を良い方向に変えようとしていたり、
誰かのために、しっかりと意見を言ってくれるようなスタッフならば、
喜んで、それこそ、一人ひとりに向き合って、良い方向にサポートしたいと思います。
風土の良さは、そうやってできていくもので、
常に自分にベクトルが向いているような、人材が集まった組織は、
良い方向には向かっていけないのかなぁ、と思いました。
まあ、それも、普段、様々な方のサロン見学における、
前社の退職理由なども聞いていて、ふと思ったことでした。
いま、改めて、チームとして、良い風土を築いていくことの重要性を感じました。